コガネムシ

屋外の鉢植えで植物を育てる場合、最も恐ろしく、厄介で、取り返しのつかない被害を与えてくるのが<ドウガネブイブイ>

普段通りせっせと水やりをし、愛情を込めて世話をしていても何だか元気がない。
水が足りないのかなと、水やりを増やしても何だか…

肥料が足りないのかなと、やってみても何だか…

もしかして水やりすぎで根腐れ?

なんてやってるうちに植物はどんどん元気がなくなっていく。

枯れる。

これがドウガネブイブイの恐怖です。

ドウガネブイブイという、さっぱりピンとこない名称の、この恐怖の正体はコガネムシです。コガネムシの幼虫。
ドウガネブイブイというのはミドリっぽいコガネムシの名前なのです。
(気持ち悪いという人もいるかと思うので、画像は各々検索してください<コガネムシ 幼虫>で検索だ!)

私がこの仕事をしている中で、最も厄介で恐れている<三大恐怖害虫>がいるのですが、その一角を担っているのがこのコガネムシです。

何が厄介かというと、姿が見えないという点。
こいつらは土の中に潜っていて、姿を見せないまま植物の根っこを食べてしまいます。

根っこを食べられてしまった植物は水を吸い上げることができなくなって、萎れてきたりっぼろぼろと葉っぱを落としたり。
気づくのが遅いと本当に枯れます。

そして屋外に植木鉢を置いている限り、こいつが現れる可能性が常にあるということも恐怖です。

私くらいのレベルになってくると、パッと見で「もしや…?」と気づけるようになりますが、一般の民には何が起きているのか分からないまま枯れていく植物を見守ることになるかもしれません。

本当に厄介な敵です。

症状をまとめると
1,水をしっかりやっているのに元気がない
2,新芽を中心に全体的に萎びる
3,特に暑い時期に症状でがち

根っこが食べられてしまうことによって植物は水を吸い上げることができなくなり、一番水を必要とする新芽や若葉の部分が萎びてきます。
そして、暑い時期は水がたくさん必要になるので、その影響が顕著です。(その時期に幼虫が活動するし)

しっかり水をやっていて、日当たり等の環境も良いのに植物の元気がないときは、このコガネムシの被害をうたがって見たほうがよいかもしれません。

確認するには植物の生え際をつかんで、軽く動かしてみてください。

こいつの被害に遭っている植物は根がなくなっているため、根本がめちゃめちゃグラグラします。
ほんの軽く植物をひっぱっただけで抜けてしまうこともあります。(そして根っこがなんにもない)

もしコガネムシの幼虫が鉢の中にいる場合、なるべく早く対処しないといけません。

対処その1
薬剤で退治する

対処その2
植え替える

できれば<その1>で解決したいところです。

幸い薬がよく効くので1回で退治できる場合が多いです。

使う薬は「ダイアジノン」

(私は3年間ほどこの薬の名前を「ダイジアノン」だと勘違いして覚えてました。みなさんも気をつけてください。)

正式名は「住友化学園芸 殺虫剤 家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3 400g」
Amazonでも売ってます。

基本は「対処その1」でなんとかしたいところですが、たとえば「もう植物を鉢から抜いちゃったよ」なんていうオッチョコチョイさんとか、他にもやむにやまれぬ理由がある場合は「対処その2」植え替えの選択肢を。

先に言っておきますが、植え替えをするということは残っている根っこを高確率で切ってしまうことになるし、あまり推奨はしません。
そもそも切れるような根っこが残っていません、という場合は植え替えをしても回復の希望はかなり低いので、やるだけ骨折り損の場合が多いです。
とはいえ、大事な植物をなんとか助けたいですよね。
(植え替えについては今後書きますね)

植え替えた場合は、植物がグラグラ動かないようになんか工夫してください。
あとなるべく残っている根っこを切らないように慎重に植え替えること。

ちなみにコガネムシが発生したあとの土はいい具合に耕され栄養も豊富なので、いい感じの土になっています。皮肉ですね。

予防法としては、定期的に薬を撒いておくかコガネムシの成虫が土に潜れないほど分厚く石などを土の上に敷いておく、というのがあります。

石を敷くのはかなり分厚くしておかないと効果がないのと、土の上に石などを敷くと土の乾き具合がわからない、という難点があります。

薬を定期的に撒いておくのが現実的だろうと思いますが、私はあんまり薬とかを撒くのが(なんとなくですが)好きではないので、虫が来るかどうかは運任せでもいいかなと思っています。

大事なのは植物をよく見ることです。
ちょっとだけでもいいので、できるだけ頻繁に植物を気にかけて観察していれば少しの変化も初期に気づけます。
悪い変化だけでなく、「新芽が伸びた」「蕾がついた」など、胸キュンな変化も気づけるようになりますし。

今の御時世、なんでもインターネットで調べられるので、何か変化があったら検索すればだいたい解決しますので。

とはいえ、このコガネムシの幼虫はなかなか気づきにくい敵ですので、くれぐれもご注意を。

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この記事を書いた人

東京 清澄白河にある、花と植物の店<LUFF>のオーナー 上村タク
<LUFF>は「ラフ」と読みます。
ついでに<上村>は「カミムラ」です。
体裁整った耳あたりの良いことばかりではなく、経験に基づいた本音と本質の部分を書いていきたいと思ってます

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