植物の置き場所について

植物の置き場所についてですが、最初に言っておきましょう。

植物を育てる上で、置き場所選びは最も重要です。

置き場所といっても、「この無垢のテレビ台の脇に植物あるといいよね」とかそういったことではなく、植物を置く場所の明るさが重要なのです。

植物は光を浴びて光合成をし、自らの栄養分を作り出しています。植物にとっては光を浴びることがすなわち食事をするというような事なのです。

では光を浴びなければどうなるか?
あなたも食事をせずに過ごしてみてください。
そのうち死にます。
光が全くない場所に植物を置いたらもちろん枯れます。

たとえばオシャレなBARぐらいの薄暗い照明の場所ならどうでしょう。
それはあなたが毎日ハム一枚だけ食べて生活するのと同じくらいかもしれません。
痩せ細りそのうち病気になってやはり☆となるでしょう。

じゃあ、どれだけ明るさがあればいいの?という話ですが、これはなかなか一言では言い表せられません。

光の要求度は植物の種類によって変わってきますし、同じ種類の植物でも、根のはり具合・大きさ・元気度などによっても変わります。
かなり明るい場所でないと育てるのが難しいものもあれば、結構暗めの場所でも耐えられるものもあります。

強いて一言でいうとすれば置き場所は<明るければ明るいだけ良い>と考えててもらって良いと思います。

よく、「レースのカーテン越し」とか「半日陰」とか書いてあったりしますが、私から言わせれば「な~に~?やっちまったな!」です。
男は黙って日向です。

もちろん日差しが強すぎたりすると<葉焼け>という心配が出てきますが、適切に水をやってればまぁ問題ないでしょう。

そもそも部屋の中に植物を置いて一日中陽が当たるなんて物件はなかなかないでしょうし、少なくとも気持ちの面では「明るければ明るいだけ~」と思っておいたほうがいいです。

明るい場所であれば植物は健康に丈夫に育っていくので、多少水をやりすぎちゃったとしても早めに吸収して根腐れもしにくいですし、そういう場所で育てていると根もしっかり張って、寒さや暑さ多少の水不足にも耐えやすくなります。
そしてあなたの嫌いな虫が付くリスクもかなり減ります。

逆に暗い場所だと水をあまり吸わなくなるので、同じように水をやっていても相対的に水過多になりやすく根腐れのリスクが高い。
根の張り具合も充実しないため、貧弱で諸々に対する抵抗力も低く、虫も付きやすくなります。

日当たりの良い場所なら適当に水をやっておけば元気に育ちますが、暗いと水やりのタイミングを間違ったり、不意の暑さ寒さなどにあたるとすぐダメージを受けてしまいます。

要は暗い場所だと育てる難易度が上がるということですね。

なので、なるべく明るいところで育てるのが上手に育てる最大のコツです。

もし暗い場所にどうしても置きたい場合などは、1日のうちの少しの時間でもいいので陽が当たる場所で充電させれば良いと思います。
1日のうち数時間とかでもいいし、1週間のうちに1日でも2日でも日に当てる時間があるだけで十分元気に育てることはできると思います。
(急に強い日差しに当てたり、冬の寒さに当てたりするのは良くないので注意)

とはいえ、植物にも生きる意思があるので、与えられた場所でそこに適応しようと頑張ってくれます。
多少暗くても慣れてくれば案外順調に育つものです。

ただし、光が少なければ光がないなりの見た目になっていきます。

イメージの話ですが、例えば光が100ピカリンあったとします(ピカリンは光の単位。もちろんカワイイからつけただけです)。
そしたら葉っぱの量は100枚。
これが、少し暗く光が60ピカリンだったとすると、植物はそれに合わせて葉っぱを60枚まで落として減らします。
そして、60枚のまま生きていこうとするでしょう。

光は収入を得るための仕事だと思ってください。
仕事が減れば社員である葉っぱをリストラして会社である木本体を維持しようとします。

逆に光が150ピカリンに増えれば、社員を150枚まで増やしてガンガン会社を大きくしようとします。

光の量がある一定以下になるとリストラだけでは対応できなくなって、会社自体が潰れます。
どれくらいの光の量がデッドラインかは植物によっても違いますし、日々の管理の仕方でも変わってくるでしょう。

葉っぱが小さく細かいタイプは暗くなると葉っぱをたくさん落とす傾向があり、葉っぱが大きくて厚めで色濃いめの植物は葉っぱを落としにくい場合が多いです。
(その代わり、葉っぱ小さいタイプは新しい葉っぱを出すのも早く(復活が早い)、大きいタイプは新しく葉っぱが出るのに時間がかかる(復活が遅い)という、世の中上手くできてる法則です)


植物の種類によって耐えられる暗さが変わってくるので、参考までに代表的なものをざっくり4段階で…
あくまで「耐えれる」と表現しています。暗いところを好むわけではありませんので。
(重複しているのは中間という認識で)

けっこう耐えれる系
ポトス・スパティ・モンステラ・アンスリュームなどサトイモ系
フィロデンドロン系・シダ系
葉っぱの裏赤い系
サンスベリア(水をほぼやらなければ数年耐える。水やったら瞬殺)

そこそこ耐えれる系
シェフレラ
パキラ
ドラセナ
ツピタンサス
フィカス・エラスティカ

標準系
パキラ
フィカス類の多く
エバーフレッシュ
シナモン
ガジュマル

明るめじゃないと厳しい系
ガジュマル
ゲッキツ(シルクジャスミン)
フランスゴム
フィカス・バロック
葉っぱ細かい植物の多く
ジャボチカバ

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この記事を書いた人

東京 清澄白河にある、花と植物の店<LUFF>のオーナー 上村タク
<LUFF>は「ラフ」と読みます。
ついでに<上村>は「カミムラ」です。
体裁整った耳あたりの良いことばかりではなく、経験に基づいた本音と本質の部分を書いていきたいと思ってます

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